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第5回【ニーグリップを抜け!】
おはレーニア。えびです。
ニーグリップ。誰もが教習所でも必ず習う一番始めのテクニックではないでしょうか。そんな基本中の基本でございますが、皆さまどれだけ理解できているのでしょうか。ただタンクをギューッとレッグスリーパーしているだけの人がどれだけいるだろうか。そう思って今回のテーマを選びました。
※本ブログの収益はマウントレーニアの養分と恵まれないTwitter峠の子羊ちゃんのサーキット道具費用となります。
前置き➡【目線はコーナーの奥に】初心者を脱却!ライディング講座①
えびの呟き➡【サーキットは安全?】ルールとマナーについて
⑤-1:正しいニーグリップとは?
ここでニーグリップについて詳しく説明する事はしません。調べればいくらでも基本的な情報は出てきますので(→Let’s Google先生!!)。昔は本屋で色々読み漁りましたが便利になったもんだ…。
さて、ニーグリップと言えばタンクを膝でホールドするイメージが強いので、うち太ももでタンクをギューッとホールドしている方が多いと思います。ただそのやり方だと非常に疲れる上に身体に余分な力が入る為、ぎこちないライディングとなって(結果散って)しまいます。
何故ニーグリップをするのかと簡単に説明すると、物理的にバイクとの一体感をだす事でライダーとバイクの重心が近づく為、挙動が安定するといった感じです。よく例として説明するのがフィギュアスケートのスピン。手を上にあげると重心が集中するので回転は速くなるが、手を広げると重心がバラつくので回転が遅くなりますね。それと同じです。

ライディングにおいては一番バイクの重心に近い個所、ライダーの重心がある箇所が重要な訳です。それは足(くるぶし辺り)とお尻ですね。まず、ニーグリップのコツとしては気持ち足の爪先を内側に向けて、ブーツで車体を挟むようにして、腕は力を抜いて軽く曲げ、背中は猫背にして、お尻に重心が来るようにシートの後方へ沈むように座る。
逆にダメなニーグリップはこんな感じ。
シートの前に座りタンクをウチ太ももで挟み、太ももに力が入るので重心が上方向へ引っ張られ、重心が下にないので上半身は安定せず、上体を支える為にハンドルに力が入る。
おめでとうございます!全部赤ドラ!役満です!
つまりニーグリップ(テクニック)はニーグリップ(物理)をする必要がない、という事です。(哲学)
膝で挟み込む必要はない!とは言いませんが、大事なのは下半身全体でホールドする事で、膝で挟み込む事だけに注力すべきではないという事です。
⑤-2:ニーグリップを抜くとは?
ニーグリップの基本は理解して頂けたかと思います。しかし、皆さまツーリングなり峠道なりサーキットなり走っていて、そんな事で上手く走れたら苦労せんわ!!と思いますよね?私もそうでした。実際の走行では一定で走れるわけもなく、渋滞もあるし、コーナーもあるし、何よりサーキットなんてニーグリップを意識する暇もなかった。
根本的な事を考えてみましょう?そもそもニーグリップって必要なの?
極端な例としてレーシングシーンを見てみましょう。

コーナーでは内側へ大きく身体を落とし込み、ハングオンと呼ばれるフォームで抜けていきます。基本であるはずのニーグリップをしていませんね。しかし、この事について間違っている!とは誰も言いません。それはなぜか。
ニーグリップせずともマシンホールドが出来ているから
何を当たり前の事を、と言われるかもしれませんがサーキットでは全てがコーナーではなく、以下のようなコーナー間をつなぐ区間もあれば直線区間も勿論あります。

ここではレーサーも下半身でマシンをホールドするニーグリップに近いフォームで抜けていきます。
だからなに???と思われるかと思いますが、実は公道でも基本は同じなんです。
皆さん勘違いされているのは公道ではニーグリップでホールドするのが理想。はい、素晴らしい。それは理想かもしれません。しかし、しかしですよ。世の中のライダー諸君。特にこの記事のタイトルを見て読みに来ている諸君。
ニーグリップで忠実にライディングできる程、貴方お上手ですか?
だからここに来ている訳です。理想的なニーグリップ。それは理想かもしれませんが、力を入れるという作業がビギナーには毒なのです(蛇め…)。
ライディングで一番危険なのが不要な力が入り、身体が硬直してしまう事。なので覚えて欲しいのは、ニーグリップの抜き方、力の抜き方で御座います。
⑤-3:ニーグリップの抜き方
これはちょっと考えたらわかる事です。下半身をホールドする事は大事ですが、ずっとホールドしているわけではないですよね?先ほどのレーシングシーンも極端な例ですが、もっと極端な例を出すと、信号で一時停止する際、止まりますよね?その時は足を出して停止しますよね?(一部のスタンディングマンは高みの見物願います)。
つまり、どんなビギナーでも無意識的にニーグリップを抜いている訳なのです。
次にワインディングで考えてみましょう。峠道を右に左に抜けていくのですが、ここで上手なライダーさんは抜きが自然と出来ています。とても簡単に言うと、コーナーリング中にイン側のニーグリップを抜いてやればよいのです。
前述のムリ膝講座でも書きましたが、コーナーリング中は外へと力が逃げようとするので、身体を内側へ落とし込んであげる必要があります。前述ではそれに対してムリ膝は散るよ!といいましたが、それ以上に誤ったニーグリップをしたまま身体を落とし込むと散ります。何故ならニーグリップをしたまま上半身だけ倒れていく結果となるので、非常に不安定。また困ったことに、バイクは荷重が掛かっていない状態の方がどんどん倒れて加速していきます。リアタイヤを端まで使おうとして散るライダーはこのパターンが多し。
少し脱線しましたが、コーナーリング中は直線とは異なり、横方向のGが大きく掛かってきます。その為、アウト側のくるぶし、太もも、お尻により力が加わる訳です。これは感覚的にわかりますよね?。なのでイン側にはそこまでのホールド力が求められていないのです。また前述のように無駄な力は非常に危険な為、不必要な内側の力は抜いてあげるのが良いです。別に身体を大きく落とし込む必要はないです。力を抜いてあげるだけで、自然と身体はイン側に傾き、理想的なリアステアを体感できるかと思います(リアステアについてもまた今度・・・。)
とにかく理解して欲しいのはニーグリップが大事なのではなく、状況による正しいマシンホールドが重要なのです。停止時のマシンホールドは足を出した3点接地でしょう。直線や低速域ではそれこそニーグリップが安定するでしょう。峠道であれば少し身体を入れたリアステアが気持ちいいでしょう。
とまぁ、今回はこんな所で。
それではお疲レーニア!
続編→【ライディングのノイズ】初心者を脱却!ライディング講座 ⑥
