【タイヤの空気圧】初心者を脱却!ライディング講座⑱

18回テーマ【タイヤの空気圧】

おはレーニア。えびです。

今回はタイヤの空気圧のお話で御座います。普段あまり気にしていない人、気にしているけど何をどうしたらいいのか分からない人、シチュエーションで使い分けている人、コンマ単位で圧と会話出来る人と、同じバイク乗りでも空気圧に対するモチベーションは様々。

私は常日頃からタイヤの空気圧は一番気軽にできて、一番複雑なセッティングだと思っています。これが最適な空気圧だ!という事は言えませんが、空気圧についての考え方を自分なりにまとめていきますので、この機会にエアゲージとお友達になってみましょう。

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前置き➡【目線はコーナーの奥に】初心者を脱却!ライディング講座①

前回➡【フロントブレーキの基本】初心者を脱却!ライディング講座⑰

えびの呟き➡【安全の証?下手の証?】みんな大好きアマリングについて


⑱-1:三度の飯より空気圧チェック

タイヤの空気圧には大きく分けて冷間温間の2つの状態があります。言葉通り、冷間は走行前のタイヤが冷えている状態温間は走行時、走行後のタイヤが温まっている状態です。車両メーカーの指定空気圧も冷間時での数値となっていますので通常、タイヤの空気圧チェックは冷間時に行います。

まずは、空気圧をエアゲージでチェックする事を習慣としましょう。これは単純に車両点検の義務となりますので、特に気にしていない人でも走行前 or 1ヵ月に1回はチェックするようにしましょう。タイヤの空気は何もせずとも自然と抜けていくものです。自転車もしばらく乗っていないとタイヤがペチャンコになりますよね。 

空気圧は安全の為にチェックする必要がありますが、ライディングスキルを向上させる為にも重要な項目となります。よく初心者の方から「空気圧はどうしたらいいですか?」と聞かれますが、そもそも「今の空気圧を把握していますか?」という話ですね。まずは測定してみて、走ってみましょう。公道では走行前の冷間で十分かと思いますが(面倒くさい)、サーキット走行では冷間(走行前)温間(ウォーマー)、温間(走行後)冷間(走行後)など可能な限り計測してみてください。冷間(走行前)に決めた空気圧が外気温や路面状況やペースでどのように変化する事も把握できます。

それが分かったから何になるの?と思われるかもしれませんが、空気圧によって何が変わるのか?それが分からなければ自分にあった空気圧を見つける事は難しいでしょう。規定値や推奨値はありますが、あくまでも規定値で推奨値です。


⑱-2:ストリートタイヤ(ツーリング、スポーツ)での空気圧

公道用タイヤで公道を走る範囲のお話

ストリートタイヤでの空気圧の考え方を、公道とサーキットで考えてみましょう。


~公道(ストリートタイヤ)~

タイヤやマシンによりけりですが、初心者の方やそもそも空気圧をどのようにしたらいいのか分からない人は、車両メーカー規定値を基準とした方がいいです。いや、マジです。グリップを上げる!と空気圧を極端に下げる人がいますがオススメしません。そもそも基本的には空気圧を下げてもタイヤのグリップは上がりません。上がりません(大事事二度言)。タイヤが潰れて接地面が増える事と、グリップが上がる事はイコールではありません。簡単に言うと、潰れているのかと潰しているのかの違いです。荷重をかける事でタイヤのグリップ力が向上します。もともと潰れている状態がいいのか、必要な過重をかけて潰している状態のがいいのか、接地面が増えても荷重が低下しては意味がない訳ですね。この辺りの話はシチュエーションによって様々ですし、ここで詳しく説明するとキリがないので、グリップを上げる為に妄信的に空気圧を下げるのはやめておけ、と理解してください。しかし、空気圧を下げる事でタイヤの抵抗が大きくなる為、アクセルを開けやすくなり、安心感は増しますね

だいぶ脱線してしまいましたが、まずは規定値で走ってみて自分が安心して走れるように調整してみましょう。クイックに倒れるのが怖いと感じるのであれば、空気圧を下げてみるのも一つかと思います。しかし、圧がかかった状態のタイヤを過重で潰してあげる事でタイヤのグリップを引き出すことができます。タイヤの空気圧を調整する事は重要ですが、そればかりに注力しないように気を付けてください。また、アマリング消したいがあまり、空気圧を下げてタイヤの端まで使おうとする行為は危険で哀れなのでやめときましょう。だって君ら散るやんね。


~サーキット(ストリートタイヤ)~

スポーツライディングを楽しめるラインナップは豊富で、年々性能も上がってきており、公道用のスポーツタイヤでサーキット走行を楽しんでいる方も多いかと思います。そこで更に加速する勘違いが「サーキットだから空気圧を下げるべし」。半分正解で半分は誤りです。よく聞くのが「○○さんがF1.7/R1.7だからそれに合しています」という言葉。よくよく紐解いていくと、当然ながらプロダクションタイヤ(サーキット専用タイヤ)での空気圧なんですね(しかもめちゃ速い人)。それで温間で上がらずタイヤデロデロで喜んでいるあんぽんたんがいますね。

結果から言うと、ストリート用タイヤでサーキット走る際もまずは規定値から10%低くする程度でOKです。なんなら規定値でもOKですが、初心者の方にはシビアなので空気圧を下げて、安心感を得る方がメリットが大きいです。ストリート用なので、タイムアタックする訳でもないですからね。

あくまでえび氏のオススメですが、ストリート用タイヤでは基本的に車両メーカー規定値を基準にして、大きく変える必要はないと思っています。しかし、それは私自身が問題なく走れるからであって、各々の身長体重も違えば、走るシチュエーションも違うし、技量も異なる訳です。その為に自分にあった空気圧を探していきましょう。

公道の空気圧例。

車種CBR1000RR SC57 / タイヤS21

メーカー規定値:F(2.50kgf/c㎡)、R(2.90kgf/c㎡)

えび氏の空気圧:F(2.50kgf/c㎡)、R(2.70~2.90kgf/c㎡)

私は基本的には規定値通りです。場合によって立ち上がりで大きくアクセルを開けたいので、リアだけ規定値 -0.1~0.2程度下げて走っています。特にフロントはしっかりと長く潰したいので規定値、場合によっては少し高めに設定してます。

えび談

⑱-3:プロダクションタイヤ(サーキット専用タイヤ)での空気圧

次にプロダクションタイヤと呼ばれるサーキット専用タイヤのお話です。サーキット専用タイヤといっても、公道での走行可となっているモデルもありますので、こちらもサーキットと公道での空気圧を考えていきましょう。


~サーキット(プロダクションタイヤ)~

まず大前提として、ストリートタイヤの指定空気圧は車両メーカーの基準値となっていますが、プロダクションタイヤの指定空気圧はタイヤメーカーの基準値となります。プロダクションタイヤを使用される方で知らない方はいないでしょうが、念の為に・・・。そして、規定値通り入れるだの、自分に合わせて調整するだの、当たり前の事ですし、推奨の空気圧セッティングについても車種やコースや取り組んでいるレベルで変わってくる話なのでここでは割愛・・・。

その中で、今回考えていきたいのが冷間(走行前)、温間(ウォーマー)、温間(走行後)、冷間(走行後)等々、様々なシチュエーションで空気圧チェックを行うと色々見えてくるよ、というお話。ご存知のとおり、プロダクションタイヤには冷間時温間時とそれぞれに規定値があります。よく空気圧を気にされている方でも冷間時のみチェックして、温間時にチェックしない方は多いですね。確かに走行前の冷間時が一つの基準値となりますが、走行時はホットになっている訳ですので温間時にどこまで上がっているのか、それが一番重要な事です。冷間時に規定値入れていても、温間時に上がって来なければ意味がない訳ですね。

当然ながら走行ペースや季節、気候、時間帯で温間時の空気圧は変化します。それは当然の事ながら走行時のタイヤの反応も変わってくる訳です。ライディングはどこまで行っても感覚的なモノです。しかし、それに対して全て感覚に任せる必要はない訳です。空気圧は誰でも簡単にチェックできる指標となれる訳ですね。各空気圧時の感想を感覚的でも、〇×△でも構いませんので残していく事をオススメします。それが自分のデータとなりますし、理想の空気圧へ近づいていくかと思います。


~公道(プロダクションタイヤ)~

気ぃ付けて走れ


⑱-4:まとめ

と書いて来ましたが、結論としてはこの記事も鵜吞みにすんなよ!って事です。規定値、推奨値あれど、固定概念に囚われずに色々試してみましょう。同じタイヤで同じコースを走ったとしても、アブレーションが出る空気圧はバイクやライダーや色んな要因で異なります。結局は、貴方自身が公道ではより安全に、サーキットではより安全に速く楽しく走れる事が一番なんです。その一番が発揮できる空気圧を追及してみましょう。そして、それは終わりなき沼への入り口・・・。

今回の内容としては空気圧についてクローズアップして、今一度考えてみましょうという事ですね。数千円も出したら良い製品が買えます。そして、誰でも出来るマシンセッティングとなりますので、まずは日々の空気圧チェックを行ってみましょう。

それでは今回はこの辺で。

お疲レーニア。

続編➡【タイムアップのコツ】初心者を脱却!ライディング講座⑲

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