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おはレーニア。えびです。
リクエスト記事となります。チェーンメンテナンスについて、えび流?をまとめてみようかと思います。ずーっと昔からチェーンメンテナンスについては色んなやり方や賛否あるかと思いますので、あまり書きたくないのですが、私と同じようなスタイルの人には合うのではないかと。
改めて最近のメンテナンス状況を多方面から聞いて、自分でも調べてみました。職業柄、洗浄という分野で飯を食っておりますので、その辺りも加味して、洗浄とは何ぞやという事も。しかしながらメンテナンスは素人な訳ですので、バイクの有識者と相談しながらやってます。
過去は性能面で問題なければいい、と思っていた時期もありますし、それも間違っていないと思ってます。しかし、ここ数年はひたすらに綺麗にすることに拘っています。だって、カッコイイもんね。
※本ブログの収益はマウントレーニアの養分と恵まれないTwitter峠の子羊ちゃんのサーキット道具費用となります。
こちらもどうぞ➡【目線はコーナーの奥に】初心者を脱却!ライディング講座①
前回のレビュー➡︎えびの製品レビュー【BIKE BARN】クールライド バイクバーン 簡易ガレージ(CBR1000RR SC57)

①:私の定義
はい、まずは定義を決めておきます。チェーンメンテナンスの定義ではなく、私自身のチェーンメンテナンスの定義です。何故ならばバイクに乗る目的、用途、頻度、使っているチェーンスプロケット等々、無限に条件なんて異なる訳ですよね。なので、あくまでも私のスタイルであることをご承知ください。って書かないと理解されないTwitter峠。
●マシン:CBR1000RR SC57

●チェーン:EKスリードチェーン 520-114L
●サンスター製レーシングスチール F(520-16T)/R(520-40T)

●目的用途
完全趣味でしか乗らない為、雨の日や汚れるシチュエーションは極力避ける、というか乗らない。今のところサーキット走行の予定もない為、ストリートオンリー。乗る頻度も1~2週間/回(目標)。メンテナンス出来る時間は比較的自由に確保できる。性能面+αで外観も重視。
②:洗浄の定義
仕事柄、あまり詳しくは書けませんが「洗浄」の定義というものを簡単に。洗浄という言葉だけ一人歩きし、変な解釈になるのも嫌なもので・・・。
洗浄の定義を言葉でいうと「母材を傷めず付着物を落とし、元に戻す技術」と言えます。当たり前の事ですが、我々も普段洗浄を行っているのです。洋服の汚れを洗剤と洗濯機で落としています。フロントガラスの汚れを洗剤とワイパーで落としています。そして、洗浄とは以下のように定義できます。
「洗浄力 = 薬剤の力 + 工程の力」
風呂掃除で考えてみましょう。過去幾人の人間が思った事でしょう。「洗剤をかけるだけで汚れが落ちないものだろうか・・・」はい、結局のところ、全人類は洗剤とスポンジを使用してセコセコと風呂掃除をしている訳です。しかし、本当の事をいうと、様々な薬剤や工程を駆使する事で、擦らずに落とす事は出来るかと思います。しかし、コストや処理や取扱資格等との理由で市販する事は出来ません。
もう少し細かくいうと、洗浄には大きく分けて3種類あります。引取洗浄、現地洗浄、薬剤提供です。引取ができれば専用の設備、有資格者による劇毒物使用、等々駆使してあらゆる手段で洗浄が出来ます。引取が不可でも現地で作業が出来れば、様々な制約があれど、様々な手段で洗浄が出来ます。しかし、薬剤提供に限っては作業を他人に一任するしかありませんね。それにより、誰でも使用でき処理できるように、法令で調合できる薬剤が制限され「薬剤の力」が劣り、専門の人間が作業できない為、「工程の力」も劣ります。
つまり、市販で購入できるケミカルが「薬剤提供」に当たる訳です。誰でも使用できる反面、薬剤が制限されており、且つ使用する人のほとんどが洗浄の素人であるという事です。
ですので、「洗浄力 = 薬剤の力 + 工程の力」の通り、市販でも正しい薬剤を使用し、正しい工程で洗浄する事で、洗浄力は大きくなるという事です。正しい薬剤を使用しても、工程が間違っていては、正しい工程を踏んでいても、正しい薬剤を選択していなければ、期待できる効果は得られないでしょう。
っという内容がバイクメンテナンスに当てはまるのか?というのは分かりませんが・・・。
③:チェーン洗浄してみよう

実際に洗浄してみましょう。新品のチェーンを使用しても数百km走るとグリスに汚れが付着し、くすんで見た目も悪く、放っておくと汚れが蓄積し、リンク部のゴムO-ringが腐食されて硬化してしまいます。固くなったゴムのO-ringは切れてしまいますので、定期的な洗浄と注油が必要な訳ですね。あと、汚いとかっこ悪い!!
●工程①:大きな汚れを落とす

まずは小石や砂利など目で見える固形物をブラシ等を使用して落としていきます。まず、ここで泥んこレーシングされてるようなチェーンであれば、コマ洗いせずにホイール外して丸洗いします(笑)。私のスタイルであれば、そこまで泥んこになる事はないのでブラシで事足ります。
●工程②:薬剤(クリーナー)を使用する

使用する薬剤(クリーナー)はWAKOSのチェーンクリーナー。やっぱりWAKOSがいいよ、と勧められてSDS等色々調べて決めました。前提として母材(O-ring)を痛めないクリーナーを使いましょう。ホームセンターのパーツクリーナーぶっかけると…(ry。ここで使用する道具はマイクロファイバークロス。極力マイクロファイバーを使ってますが、適当なクロスを使うこともあります。
そして、ここで私が気を付けている事はクリーナーをチェーンに直接吹きかけない事。理由としては、無駄に浸透しすぎると思う訳です。クリーナーは揮発性が高い反面、同様に浸透性も高いです。リンク深部の汚れまで落とす必要がある為、当たり前の性能ですが、浸透しすぎると懸念があります。それは揮発する前にチェーンルブを吹いてしまうと、新しいルブも分解し、飛び散りとグリス切れの原因となるんですよね。多量に使わなければ落ちない汚れもあるので一概には言えませんが、こまめに洗浄するか、そこまで汚れてしまったら大量の水を使って丸洗いします。とにかく、クリーナーを残さないことに重きを置いてます。


チェーンではなくマイクロファイバークロスにクリーナーを吹いて、リンク毎に浸透させてセコセコ擦っていきます。これで十分にクリーナーがリンクに浸透し、汚れを落とす事が出来ます。黒い汚れが浮いてくるのでこまめに乾いたクロスで拭きあげます。
【注意】WAKOSの取説では直接吹きかけるように書いてあり、それが本来正しいと思います。しかし、クリーナーをキチンと除去しなければ、ルブが飛び散るので気を付けましょう。ルブが飛び散るの際に、ルブばかり気にしがちですが、クリーナー残りが原因かもしれませんね。

スプロケットにもグリス汚れ諸々が付着しているので、同じようにクリーナーを浸透させたクロスで拭きとっていきます。これもクリーナーを吹き付けないといけないレベルであれば、バラして(ry。
●工程③ : 艶出し

チェーンの汚れをひたすらセコセコ落としていった後は、仕上げに艶出しをしています。これは完全に自己満なので意味はありません。だけど、綺麗だとかっこいいやん?

EKスリードチェーンは磨き甲斐がありますね〜。このシリコンスプレーは樹脂パーツの艶出しにも使ってます。汎用性高く、どこにでも使えるので1本持っててもよいかと思いますよ。
●工程④ : チェーンルブ塗布

汚れを洗浄した後には、チェーンルブを塗布します。目的は言わずもがな、シール部と摺動部の保護、改質化。そもそも私的にはルブも頻繁には塗布しません。雨の日も走らなければ、極端に汚すこともないので。
MOTUL C2を使い始めたのはここ最近です。もともとフリクションロスが小さいAZ系を使用してました。AZは飛び散りやすい反面、簡単に拭き取れるのですが、やはりレプソルホイールだと汚れが目立つ・・・。
現状の目的は極力ルブが飛ばしたくない、という事でMOTUL C2を使用してみようかと。


ルブもクリーナー同様に全体に吹き付ける事はしません。リンク毎に細かく吹いていきます。手間がかかる作業ですが、無駄なルブは汚の根源なので、必要最小限の注油を心がけてます。
MOTUL C2 は吹きつけた直後は非常に高い浸透性を持ち合わせていますが、空気に触れると即効的に硬化していきます。しばらく経って手で触ると粘り気が出るようになり、拭き取る必要がないほど硬化します。
●完成



定期的な頻度で、正しい製品を使って、正しい工程を踏んで、時間をかけて丁寧にやれば、メンテナンス素人でもここまで綺麗に出来ます。
どうしても市販の薬剤(クリーナー)には限界があります。その洗浄力を上げる為に、工程の力が重要になる訳なんですよね。
このタイミングでやる理由?綺麗なチェーンを見せびらかしたいから。
えびお
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