技術は金で残る

おはレーニア。えびです。

バイク関係ない話です。仕事をしながらつらつらとアウトプット。

あくまでもえびの目線で見た世界の話。そんな事ないよ!と思う方。君と僕の世界は違うので。そこは理解してね。

宜しければどうぞ。

※本ブログの収益はマウントレーニアの養分と恵まれないTwitter峠の子羊ちゃんのサーキット道具費用となります。

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前回の呟き➡【サーキットのトラブル】速い人?遅い人?どちらが優先??


①:良いモノを作っても技術は残らない

色んな業界を見てきて思う事は日本に技術は残りにくい。なぜなら金儲けをしない、できないから。日本のある業界は世界一、と言われていた時期もあった。海外製は安かろう悪かろう。made in Japanがブランド。それを支えるエンジニアの給料は如何ほどか、業績に見合った、技術に見合った給料が支払われているのか。

一方、某諸国は金にモノを言わせて世界中から優秀なエンジニアを雇う。日本のエンジニアも多額の報酬で抜かれる。技術は金で手に入る。それは根付かないと言われてきた。ただ現実は違う。安かろう悪かろうの時代は終わり、安かろう良かろうの時代に。日本の技術力が落ちているのか?。むしろ上がっている。ただ、製品は売れない、業績は上がらない。エンジニアが買われていた時代から、会社が買われる時代に。日本の名前の外資企業が並んでいる。

日本には昔ながらの職人と呼ばれるジャンルがある。背中を見て覚える、足掛け10年、独立20年。それの良し悪しは分からない。ノウハウが流出するリスク、経験値からしか導き出せない技術、単純に手取り足取り教えればいいという訳ではない。ただ、結果だけ見ると良い技術が引き継がれず、良い製品が日の目を浴びず、ロストテクノロジーとなりかねない技術が多数存在する。後継者不足や事業継続が出来ない、なぜなら金儲けに繋がっていないから。

いくら素晴らしい技術を持っていても、いくら素晴らしい製品を作っていても口を開けていておまんま食える時代はとっくに終わっている。ただ、それを行う事が卑しいという感性があったり、そもそもセールスが出来なかったり。私はその技術を、製品を必要としている先を探して繋ぐ、そんな仕事をしてたりしてなかったり。

今回始めた事業、とある技術を持っている会社があり、継続させるのはコストがかかるが継続し続けなければ次世代に継承出来ない技術。技術を継続、残留させる一番の方法は仕事を与えて使用する事。仕事には費用が発生し、客先へ請求し、会社として売上が発生し、従業員への給料も支払われる。技術を使用する事で、給料を支払う事で、従業員を雇う事で、技術は初めて残っていく。

伊勢神宮は20年に一度、遷宮を行う。簡単に言うと社を建て替えるという事。色々な理由がある中で、一番現実的な理由は「技術の継承」。20年という周期は技術を継承させる事が出来る最長年数。20歳で下っ端、40歳で一人前、60歳で親方棟梁という流れで形がない、技術、信仰、思想、文化を世代を超えて継承している。文献で残っている技術ではなく、生きた技術である為、現在の環境に沿った形に進化していくことが出来る。

良い技術を持っていても、良い製品を作っていても、ニーズを探して、仕事に繋げて報酬を得なければ埋もれていくだけ。黙っていても日の目を浴びるのはドラマの世界だけ。


②:金は多数に集まる

とある方が「高知で食うカツオは何故美味しいのか」という話をしていた。「マグロは大間等、特産地でもなくても美味しい所があるのに」と。

漁業も近く、大前提として高知で美味しいカツオが獲れるからという理由もあるが、一番大きいのは消費量かな。世帯あたりカツオ消費量の全国平均は973g。最も消費量が多いのは高知県で4,509g。全国平均の4.6倍で偏差値も101.85と飛び抜けて消費量が多い。

都道府県別カツオ消費量 - とどラン
https://todo-ran.com/

一方でマグロの消費量が最も多いのは静岡県で4,518gと全国平均の約2倍。マグロは比較的全国各地で食されている事と比べると、カツオが飛びぬけて高知県に集中したマーケットであることが分かる。

ここまで消費量が集中すると「高知県で美味しいカツオが獲れる、だから高知のカツオは美味しい」という簡単な話ではなくなってくる。高知での消費量が多いのであれば、高知で獲れる美味しいカツオを他県に出荷する必要がなく、地産地消で地元のマーケットに卸した方が捌き易い。消費量が少ない他県にわざわざコストをかけて出荷する必要がなくなる訳だ。また、他県で獲れるカツオも高知に集まる、何故なら消費されるマーケットが存在するからだ。結果的に高知では美味しいカツオが獲れ消費量が多い事により、より美味しいカツオが集まる事になる。美味しいカツオが集まる事で処理、調理する技術も向上する。

また、高知はカツオの収穫数は全国で4位で一本釣りを主流とし、品質に拘る事も出来る。高知カツオというブランドが生きる事で、数を稼いでコストを下げる必要がなくなる。

これがマグロのように全国でカツオが消費されているのであれば、高知のカツオが全国に出荷され、今のような一極集中することはなくなるのではないかと。なので、近くで美味しいカツオが食べたいのであれば、毎日カツオを食べて消費量を増やしましょう。

元々美味しいカツオが獲れる高知で、消費量が多くなる事でより美味しいカツオが集まる相乗効果、これを「高知カツオのスパイラル」と呼ぶ。噓だけど。


③:金で残る

金を集める事は卑しいと言われる。金より大事な事があるとも言われる。金儲けをするのが卑しいと思われる貴方、幸せ者です。誇りや遣り甲斐なんてモノは金を持っている人が持てる余裕なんです。金で全てを買えるとも思っていないけど。金を稼ぐことが出来れば、技術でも文化でも何でも残ると思うけどね。

淀んだ水は腐る。生きた水、生きた土になるには使って循環させないと。人間に栄養素だけ注入していても弱っていくのと同じ。口から食べて、内蔵で消化して身体を使って生きていかないと、使わない臓器は弱って腐る。

職人の技術、経験、感は称賛される。その一方で残らない。完全マニュアル化、機械化するのではなく、ビジネスとして儲けて残す。

良い技術があっても、会社が従業員が存続する為に必要な対価を獲得しなければ、何も残らない。「必要な技術だよね」「大事にしたい文化だよね」そんなお気持ちだけでは、何も残らない。


レーニア拡販はボランティア。

えびを。

続編 ➡ バイクを降りる資格

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